ロシアワールドカップで採用されたVARのルールとは?判定が覆るの?

ロシアワールドカップが今月14日から開催されましたが、今大会から新しく「VAR」というルールが採用されたのをご存知でしょうか。

「VAR」はFIFA主催大会やブンデスリーガ、セリエAなどで既に導入され、日本でも2016年のクラブW杯で使用されたので、サッカーファンの中では知っている方もいるかもしれません。

今回はVARのルールとロシアワールドカップでの適用例についてシェアしたいと思います。

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VARのルールや基準とは?

VARとは“Video Assistant Referees”の略称で日本語では「映像副審」、「ビデオ副審」と訳されます。

VARは映像室から試合のあらゆる映像を見て、明らかに間違っていると思われる重要な判定があった場合に、無線を通して主審に申告する審判のことです。

元々、この制度は2013年にオランダのフットボール協会が判定制度の向上を目的に仮想テストしていましたが、2016年度からオランダやドイツで本格的なオフラインテスト運用が開始され、2016年9月1日のイタリアとフランスの練習試合が初のオンラインテストが実施されました。

日本でも2016年度のクラブW杯でもVARのテスト運用がありました。

その後、2017年にはオランダ、イタリア、イギリスなど各国でライブ・テスト、ルール導入が相次ぎ、国際サッカー評議会(IFAB)は今年のロシアワールドカップからVAR制度の正式導入を決定しました。

VAR制度は上述したように、特に勝敗を左右するような重要な局面での明らかな誤審や見逃しを防ぐことが目的であり、エラー自体を完全に排除するものではありません。

従って、VAR制度の対象となるのは次の4つの場合に限られます。

 

1.得点に関する一連のプレーで反則があったかどうか
2.PKかどうか
3.レッドカードかどうか(2枚目を含めてイエローカードやファールは適用対象外)
4.レッドカードやイエローカードを受ける選手が間違っていないかどうか

 

また、VAR制度についての最終的な判断を下すのは主審であり、選手や監督からのVAR制度適用の申し立ては認められていません。

これは、VAR制度の導入に対する反対意見で多かった試合の遅延やサッカーの魅力の1つであるスピード感を失わないようになるためであり、この点はテニスのチャレンジ制度や今年から日本のプロ野球で導入されたリクエスト制度とは異なります。

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判定が覆ることはあるの?

VAR制度によって判定が覆ることはあります。

世界で初めてVAR制度によって判定が覆ったのは2017年1月25日KNVBベーカー(カップ)でのFCユトレヒトとFCカンブールの試合で、カンブールの選手のハンドによるPK判定を取り消して、ユトレヒトの選手のファールとしたケースです。

そして、今年のロシアワールドカップでは出場全32チームが初戦を終えた20日段階で、VARの適用例は4回ありました。

VARの適用内訳はPK判定が3回、レッドカードが1回です。

今大会初の適用例は16日のグループC、フランスとオーストラリアとの試合です。

56分にフランスのグリーズマンがオーストラリアのDFジョシュア・リズドンにPA内で足をかけられたプレーがありましたが、審判は一旦プレーを流したものの、VARの確認を経て、主審がフランスにPKを与えました。

なお、この試合はフランスが2-1でオーストラリアを下しましたが、フランスの決勝点がゴール・ライン・テクノロジー(GLT)での認定だったことも併せて話題になりましたね。

また、同日のグループC、ペルーとデンマークの試合でもPA内でペルーMFクリスティアン・クエバがデンマークFWユスフ・ポウルセンに倒された場面でも、接触から約30秒後にプレーが中断され、ペルーにPKが与えられましたが、クエバがこのPKを大きく外してしまいました。

そして、運命の悪戯か、ペルーはポウルセンの決勝点で敗れてしまいました。

17日のコスタリカとセルビアの試合では、後半アディショナルタイムにセルビアFWのアレクサンダル・プリヨビッチの手がコスタリカDFジョニー・アコスタの顔面に当たり、レッドカードが出されるかについてVARを介入させましたが、この場面ではイエローカードに留まりました。

18日のグループE、スウェーデンと韓国との試合では、65分に韓国のDF金民友(キム・ミヌ)がPA内でスウェーデンのMFビクトル・クラーソンを倒したプレーについて、主審はいったん流したものの、VARでPKをスウェーデンに与え、キャプテンのアンドレアス・グランクウィストが冷静にPKを決めました。

結局、この得点が決勝点となり、スウェーデンが1-0で韓国を破りました。

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ネットの反応まとめ

VARはより正確な判定が出来る点では優れてるけど、試合の流れを断ち切る点ではよくない
VARはかなりアタッカー有利な調整になりそう
セットプレーやPKの重要性が増すなあ
VARを導入したからといって誤審はなくならないのね
VARあっても主審次第じゃ意味ないのでは
チャレンジ制度の方がいいかも
対象を全部にするか、テニスみたいに制限付きの申告制度にしたほうがいい
VARとGLTが試合を左右するハイテクW杯
DF陣は相当注意しないと…
VARがあることでレフリーに見えなきゃいいみたいなラフプレーへの抑止効果があるのでは
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VARがロシアワールドカップから正式導入されましたが、まだまだ課題、改善点は多いと思います。

ただし現在、W杯では日本対コロンビアでカルロス・サンチェスがハンドで一発退場になった1回だけしか退場処分はありません。

今大会次第では日本でもVAR導入の議論が浮上するかもしれませんが、まずVAR自体はあくまでも主審の補助審判であり、全てのファールを取り除く審判ではないことを念頭に置く必要があります。